過去の雑記
母親インタビュー〜旅をしながら人生について色々聞いてみた〜
母親インタビュー〜旅をしながら人生について色々聞いてみた〜
有名人でもなければ、何かを偉業を成し遂げた人間でもないです。
ただの一庶民の、親子の会話とそこから感じたことをつらつらと書いているだけです。本当にそれだけです。
僕がただ描きたいと思ったことを書いているだけですので、全く読むことはお勧めしません。予めご了承ください。
73年の人生を振り返って母の率直な感想
現代、幸せ半分、辛さ半分。
笑いながらそう答えてくれました。
半分を、1%でも幸せにふれるようにしたいという思いが頭によぎった。
嬉しかったこと
生け花の先生ができたこと。他にもお茶、着物の先生。踊りの先生をやれたこと。新天地で出会った人のお役に立てたことが嬉しかったみたいです。まだ結婚する前、実家の大阪に住んでいたとき、色々興味があって習っていたみたいです。結婚してからは、夫(私の父)が厳格すぎたため絶対に何もできないと思っていたらしく、自分のやりたかったことで人のお役に立てたことが楽しかったみたいです。話してるとき嬉しそうでした。
面と向かってだと息子との嬉しかった思い出は、出てこないのかなとふと思った。期待している自分もいた。こういう話はいろんな気づきが生まれる。
辛いこと
価値観の合わない結婚生活。正直に言ってました。大変だったと(笑)。息子として、なかなかスリリングな毎日を間近で見ていたのでそりゃそうだというのが僕の率直な感想。僕も似た経験をしたので、どこか戦友のような気持ちも味わった。
あとは、慢性的な病気に苦しんでいて、身体中が痛いこと。食べ物を飲み込むのが大変だったり、体が痛くて大好きな着物がきれなくなったことが辛いって言っていました。そこは少しでもサポートしたり、いたわってあげようと思った。加えて、明るい気持ちになるように嬉しい出来事を少しでも増やしてあげたいなと思いました。
会話中に連呼していたこと
母は、40歳の時、取れるとは思っていなかった運転免許が取れ嬉しかったと話していた。その時の色々なエピソードを話してくれてるところで。
「近所のAさんはペーパードライヤーやねん。たしかBさんもペーパードライヤー。私は車の運転たくさんしたから運転免許の元とったよ。ペーパードライヤーやと、免許持ってても乗ってないから怖くて全然運転できへんねん。」と色々力説してくれたけど、ペーパードライヤーという言葉が気になって全く頭に入ってこなかった(笑)。ペーパードライバーね。まあ母親らしいなと思えて笑ってそのまま聞いていました。
若い人に伝えたいこと
「私はずっと我慢してきたよ」色んなことを、色んな場面で耐えてきた。人生を振り返りながらしみじみそう話す母。多分その頑張りを認めてもらいたいし、自分自身で認めたいんだと思った。少し間を置いたあと、いつもは聞かない質問を一歩踏み込んでしてみました。
「今の若い人にもそうしなさいって思う?」
ちょっと意地悪に取られかねないけど、本心を聞いてみたくなり正直に聞いた。
「我慢ばかりではなくて、やりたいことはやったほうがいいよ。」
僕が生きてきて、言い過ぎかもしれないけど初めて本音を聞いたような気がする。ずっと母親らしいことを言われ続けてたきたけど、1人の人間として飾らない言葉を受け取ったように感じました。
「できるだけ迷惑はかけないよう配慮はするけど、やれることはやれるうちにやったほうがいい。」
いつも母親らしい言葉を並べていた母とは違う言葉で少し面食らったが、少しホッとしたし嬉しかった。どこか、言葉に力があるようにも感じた。
そして、それと同時に自分も教員時代、先生らしい言葉を並べて、本心を偽っていたことがよくあったことが思い出された。すごいジレンマがいつもあった。もしかしたら、同じような人がたくさんいるのかもしれないとも思った。
結婚について
結婚するときには相手の価値観が合う人じゃないと苦労する。これはかなり重みがあった。
これは、激しく同意(笑)
嬉しそうに話してくれた初恋の話
母が小学校高学年の時、夏休みの時だけ、近所の果物屋さんで中学生の男の子がアルバイトしたらしい。そこでスイカを買って、これまた少し離れたところに住んでいるおばあちゃんのところに届けていた。その時、そのアルバイトの男の子の自転車の後ろに座り、ぎゅっとつかまりながらおばあちゃんの家まで道案内をしていたそう。毎年毎年、夏休みになるとその人に会えて、自転車の後部座席で彼につかまってるときのことを、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに話す姿は、純情な恋する乙女でした。女性は幾つになっても女性なんだなと思った。それがまた、ステキだなとも思った。
自分を大切にしてくれたご先祖様
今回は、三重県の津市にある、母のおばあちゃん(僕のひいおばあちゃん)のお墓まいりにきました。母にとって、残りの人生はそう長くはないと感じていると言っていました。人生の終わりが近づいてくると、生まれ故郷やお世話になった人たちのことが、急にたまらなく懐かしくなり、恋しくなったりすると言っていた。
母が大好きだったおばあちゃん。どうしても会いたくなったみたいでポロッと口にしたのを聞いて、一泊二日での小旅行が決まった。美味しいものをご馳走してくれて、いつも自分を可愛がってくれたおばあちゃんに急に会いに行きたくなる。なんかその気持ちがわかる気がしたし、自分にもいつかそんな日がくるんおだろうと思うと、無性に切ない気持ちになった。
今まで自分は、どこか形式的な感謝や供養をしていた部分があったけど、純粋にご先祖であるおばあちゃんが大好きで会いに行く。そんなお墓まいりの在り方ってすごくいいなと感じた。だから、家族や親戚と仲良くなって、生きている時も、死んだ後も仲良く繋がっていけたらいいなって思いました。
僕の結論
ベストセラー本や歴史上の偉人の生き方はもちろん役立つことがたくさんあるし、学んで活かすべきものだと思う。しかし、それ以上に、人生の一番のヒントを与えてくれるのは、自分の親なのではないか。いまの自分はそこに至った。