おしがくノート
【No.346】藤井浩史先生から学んだ3つのこと
🔸はじめに
今までにないおしがくでの先生挑戦へのプロセスや、医者というなかなか出会うことのない特殊なお仕事の藤井浩史先生との出会いで、自分の人生にまた新しい視点を自分自身の命に刻むことができました。現在、在宅医療のお医者さんとしてご活躍されている藤井先生のおしがくでの授業から学ばせていただいたことを3つご紹介させていただきます。
(1)未知への一歩
藤井先生のように知り合いも、つながりもないおしえるがっこうにインターネット上でおしえるがっこうを見つけてくださり、しかも連絡をしてくれました。そこからおしがくで先生をやっていただけることになりました。これはおしがく開校してもうすぐ2年が経ちますが初めてのパターンです。まったく未知の場所であるおしえるがっこうに連絡してくださっただけでなく、開校当時、なおさら『おしえるがっこう』がどんな場所なのかまったく認知されていない中で、先生に挑戦してくださいました。
今となってますます、その凄さを身にしみて感じています。現役のお医者さんとして、勤務医から開業医を目指すのが一般的ですが、周りに流されることなく自分の意志を持ち、より人間同士のつながりや心を大切にしたいという思いを大切にされ、在宅医療へ進む決意をされたこと。新天地岐阜を選ばれたことも、未知への一歩を踏み出された藤井先生のご決断。とても穏やかで誠実な人柄でありながらも、強さを感じる生き方にとても刺激を受けました。
(2)家族との関わり方
藤井先生の授業の中で、家族との関わり方でハッとさせられる問いがありました。もし自分の親が急に延命措置の必要が迫られることになったらどうするか。大事な親がある日突然、事故や病気で意識不明になり、そのまま死を待つか、延命措置をするのか。もしもそうなったとき、親の意志を聞いているか。確認してあるかどうか。突然救急車で運び込まれ、生きるか死ぬか、何が正しくて何が正しくないのか、命を救いたい、しかし家族からは延命措置をしないでほしいという意志がある。どれだけ考えても答えにたどり着けないような難題を瞬時に決断しなければならない葛藤、苦渋の決断をご経験された先生にしか話せない内容でした。
その授業の数日後、私の父親が倒れ瀕死の状態で家で見つかり奇跡的に命を取り留めました。藤井先生の授業が目の前で起きましたが、考えておいてよかった。聞いておいてよかったと心から思いました。また母にももしそうなったらどうしたいか本人の意思を確認し、心肺蘇生や延命治療はしないでほしいとのことでした。自分の意志で人生の終わりをどう迎えるか。それは家族としてとても重要なことです。それを一緒に考えるきっかけをいただけたことは、私にとっても家族にとってもとても幸せなことを学ばせていただいたと思っています。
(3)命の大切さ
命の大切さを学ばせていただきました。ややもすると見ないように、あたかも死を排除するような風潮があるからこそ、しっかりと死を見つめることで、命の大切さ、人生の大切さに気付かせていただきました。日本では、牛肉、豚肉、鶏肉などもそうですが、死を目にする場面が都会ほどありません。アフリカや東南アジアを回ったときに、生きた牛やヤギ、鳥をさばくシーンを目にしました。食べ物として命をいただく重みを感じたし、今までの食事の事や自分の命にも意識が向きました。
核家族化が進み、老人ホームや病院で人生の最後を迎える人も当たり前になてきました。日本でも昔は、年老いて弱っていく祖父母の姿から、人間が死へと向かっていく存在であることを自然と学び、死とは何か、生きるとは何かを考える機会が自然にあったように感じます。だからこそ、藤井先生が授業の中で提示してくださった「死」というテーマと向き合う機会を与えてくれたことは、日本に生きる私たちにとってとても大切なことだと感じています。自分の命も、家族や友人の命の大切さにも日常で気づき、感謝の心を持って生きていけば、きっと今まで以上に人生が豊かになっていくことを私は学ばせていただきました。
🔸これから
藤井先生から教えていただいたこと。藤井先生と参加したみんなと一緒に話したことが一生の財産となる学びの時間でした。未知への一歩を踏み出す勇気、家族との関わり方、命の大切さを時々でも思い出しながら、自分も周りの人も一緒に、豊かな人生を社会に広げていけるようこれからも生きていきます。素晴らしい学びをありがとうございました!限りある人生。できるだけ悔いの残らぬよう、1日1日、一瞬一瞬に感謝して、今を大切に生きていきます^ ^🌸