過去の雑記
世界一周中、人と本との出会いで気づく ~ちょっと過去の自分を振り返って~
パリにて、人と本との出会いで気づく ~ちょっと過去の自分を振り返って~
旅の中での本との出会い
フランスのパリ。初めての日本人宿で、滋賀県出身のおもしろく魅力的な青年にお会いした。
今までにも世界中を旅するだけでなく、野宿やヒッチハイク、自分が全く経験したことのないことを山ほどしている25歳の男性。「いいっすね」が口癖のいつもニコニコしている彼。
お互いの話をする中で、彼が一冊の本を薦めてくれました。
「できればムカつかずに生きたい」田口ランディ著
旅を始める前、移動の負担を減らすためできる限り荷物を少なくして出発しました。だから本は持ってこなかったので、読書に餓えていました。
そして、今の自分に最もふさわしいと思う本を僕に薦めてくれました。
この本を読んで気づかせてもらったこと
田口氏の作品の中に、このようなことが書かれていました。
米国では受刑者が学校を講演して歩いて、ドラッグや暴力の恐ろしさを体験を元に語るプロジェクトがあるという。当初それは青少年の非行防止のために企画された。
ところが不思議な結果が出た。癒されたのは実は受刑者の方なのだ。若者に語った受刑者はみな高い確率で更正していく。子供たちの魂は語る者を癒す力を持っているらしい。たぶん彼らは「罪」を犯したという過去に囚われず、純粋に目の前にいる「人間」に共鳴するんだろう。
(できればムカつかずに生きたい 田口ランディ著 晶文社より引用)
僕はこれを読んではっとしました。やっぱり、自分は生徒に助けてもらっていたことをあらためて確信しました。一番の恩人は生徒たちでした。
愛娘に会えなくなり3年が経ちました。離婚までの一年にもおよぶ4度の離婚調停は、想像以上に苦しいものでした。
終わってからも苦しみは容赦なく続き、身も心もボロボロになりました。それと、愛する娘にこれから苦しい思いをさせてしまうと思うとさらに、申し訳なさやなさけなさで潰されそうでした。
永遠に続く地獄のような暗闇のどん底の日々でした。何度もすみません。自分の中では本当に大きな出来事なので。
今はちゃんと明るく前を向いています!!
ずいぶん長い時間が経ち、授業の中で自分の過去の失敗や悩んだ経験を話すことが度々ありました。授業とも関連がありきっと何か役に立つはずだと感じたのでそうしました。時には、自分の離婚のことも話しました。
その時は、自分の経験が役に立ってくれたら嬉しいとの思いでした。実際に一年間の授業の最後に書いてもらう感想では、生徒たちが本当に嬉しい言葉を書いてくれました。最初は、生徒は遠慮して気を遣って書いてくれてるはずだから、良いことも半分は信じすぎないように生徒の感想を受け止めるようにしました。
しかし、そんな余計なことは考えずいいことも厳しい指摘もそのまま受け止めるようにしました。
「私もいつか先生のような輝くような大人になりたい」
そんな涙が出るような感想をたくさんもらってきました。だから、いつもこの一年間の最後の感想が楽しみで、一つ一つの授業に取り組んでいたのを懐かしく思い出しました。やっぱり生徒にいつも励まされてきたんだと改めて気づかされました。
今回この本を読んで、生徒たちに共感してもらい、癒してもらっていたんだなと改めて確信しました。生徒がいなかったらもしかしたら潰れていたと思います。
授業や部活で生徒と一緒にいることで、元気になっていく自分に気づいていました。生徒の姿にどれだけ励まされてきたかわかりません。いつもいつも感謝の気持ちでいっぱいでした。
だからこそ、今回やっぱりそうだったんだとすごくすっきりと腹にストンと落ちました。
これからの旅
僕は本当に不器用な人間だけど、受けた恩はもっと大きくして返したいなって思います。
自分が全くこうして元気に自信を持って、自分の人生を歩み出せたのは、たくさんの人に支えられ励まされてきたから。それは間違いありません。
特に生徒には、一番助けてもらったと今でも思います。死ぬまで忘れない。もしかしたら、それでも忘れられないかもしれません。
だからこそ、今回の旅では、もちろん自分のやりたいこともやるし、挑戦したり思いきり楽しもうとおもうけど、この経験をお世話になった生徒たちに還元できるものにしたいと思います。
彼らの目となり耳となり、心となって旅することも忘れずにいきたいと思います!
思い出したらまた、さらに元気が湧いてきました😊
やっぱり旅は、新たな気づきや、自分の人生としっかりと向き合う素晴らしいチャンスを与えてくれます。今回はそんなことを思いました。
フランスのパリ 日本人宿にて