過去の雑記
トゥールスレン虐殺博物館~人類が知らなければならないカンボジアの歴史~
トゥールスレン虐殺博物館~人類が知らなければならないカンボジアの歴史~
2017年12月16日、カンボジア、プノンペンにあるトゥールスレン博物館に行きました。
1970年代からポル・ポト政権による到底、人間のすることとは思えない虐殺が始まった。犠牲者は何百万人にものぼる。
その一人一人に尊い人生があった。
それが無惨に奪われた。
その立場だったらと考えてみたが
それだけで気が狂う思いがした。
今回は、カンボジアのポル・ポト政権が
私が生まれた頃に実際に行われていた
信じがたい事実とそれを目の当たりにした
今の思いを記録したいと思います。
※室内は撮影禁止。室外は許可されてます。
場所
カンボジアのプノンペン
トゥールスレン・ジェノサイド・ミュージアム
St 113, Phnom Penh, カンボジア
+855 93 388 988
https://goo.gl/maps/sTho5i1gvpT2
料金
入場料:5ドル
音声ガイド:3ドル
☆個人的には、音声ガイドはおすすめします。
歴史を丁寧にわかりやすく説明してくれます。
また、非常に残虐な資料がある時には事前に知らせてくれ、そういうものが苦手な方にも配慮されているのも推薦する理由です。
印象に残った部分
とにかく人間のできることを遥かに越えているように思えました。
足かせ、鎖で繋がれ、服も奪われ番号で呼ばれる。名前は死ぬときの記録の時のみ使われる。
人間としての尊厳を奪われ、殺されていく。
当時の拷問の様子を生存者が再現した絵。
殺され血まみれの無惨な遺体。
殺された何の罪もない人達の頭蓋骨。
一人一人の顔写真を見たときには
ナチスの大虐殺があったアウシュビッツ収容所を思い出さずにはいられなかった。
以下、音声ガイドと共に印象に残った部分を記録しておきます。
・プノンペンの高校がある日を境に悪夢の場所に変えられた。
・教室で拷問が行われ始めた。叫び声禁止とされたが、叫び声が止むことはなかった。
・質問に言われた通り答える。嘘の調書を作るため。従わなければムチ打ち10回。もしくは電気ショック5回。銃は使わなかった。外にバレないため。
※ムチ打ちは、たいしたことないと心のどこかで思っていたが、皮膚が裂け、肉が見え腫れ上がり、泣き叫ぶ声はやまない。塩をすり込まれることもある。
到底耐えられるものではないことを加筆しておきます。
・大きな鉄棒のような所で吊るされたあと、壺に頭を突っ込ませた。壺には人間の排泄物でいっぱいにされている。
・医者は敵と見なされ殺された。
・数週間の訓練で医者を育成し、枕で注射の練習。生きた人間をそのまま解剖し人体構造を学んだりしていた。
・何人かから採血し、血を集めた。その後、目が充血し体調がおかしくなってもそのままほったらかしにされ死んだ人もいる。
・一人ずつに仕切られた部屋は人が1人横になるギリギリのスペース。弾薬箱に排泄物を入れていた。
・拷問の後の血がどす黒く不気味に床に残っていた。また、鮮血がはっきりと残っているものもあった。
・各部屋にベッドの上で拷問を受け亡くなった死体の写真が飾られていた。
・足をつなぐ鎖もコンクリートに埋め込まれそのまま残されていた。
・見学に来ていた沈痛な表情が印象に残っている。
今思うこと
人間の残虐な歴史に触れ考えさせられることは計り知れなかった。
特に3つ。
①人間はこういう歴史があることを知らなければならない
そして、誰にもこういう部分を秘めていると僕は思う。
自分はずっとこういうことは、自分には関係ないと思っていたが今は違う。
人生で一番の苦しみを味わった時。憎しみが抑えられなくなる経験をした。自分にもこんな恐ろしい部分があるのかと感じた。
これは個人的な意見だが、多かれ少なかれ
人間にはそういう部分があるのではないかと
思っている。
それを知り、受け止め、どのようにその部分を抑え、いい部分の自分を発揮していけるか。
その努力が必要ではないだろうかと思います。
②私達日本人は、日本の犯した過去の過ちをきちんと学ばなくてはならない
カンボジア、ドイツは自国の残虐な歴史を学校で学び、認識し、受け止め、今を生きている。
大量の難民を受け入れ、テロに遭い、批判の的になりながら、それでもなお難民を受け入れ続けるドイツ。賛否両論があるのは承知。
メイヤー首相の言葉が心に残っています。
『私たちには背負っていかなければならない歴史的責任がある』
ナチスが行った残虐な歴史。多くの国を巻き込んだ。今もなお、これからも背負いながら生きていく覚悟を感じた。
今、海外でいろんな国の人達と話す機会がある。例えば身近な中国や韓国の人と仲良くなることもたくさん経験してきました。
しかし、中国や韓国に対して日本がしてきたことを正直僕はよくわかっていない。大切な近隣国との歴史。南京大虐殺や韓国での従軍慰安婦問題など、正しく事実を学んでいない気がしてなりません。
いくら国際的に膨大な金銭面で貢献していたとしても、日本の犯した過去の過ちを反省し、受け止めていかない限り、本当の成長はないように思います。
きちんと歴史を学び、反省してこそ、前を向き本当の意味で前進していけると思います。
③実際に足を運ぶべき場所
特に若い人にトゥールスレン博物館、アウシュビッツ収容所などに、実際に足を運び、過去の歴史を学んでもらいたい。
なぜかというと、今日行ったトゥールスレン博物館の大半は年配の方達でした。ポーランドのクラクフのアウシュビッツ収容所もそれに近い印象があります。
それが悪いと言ってるのではありません。僕が言いたいのは、若い人こそ人間の歴史を肌で感じ、命に刻むことで、それぞれの人生の中で意味や価値を生んで生けるのではないだろうかと思うからです。
そして、ここに来た人は必ず世界の平和を願うはずです。
平和を願う人間の輪を広げていくには
青年の力が必要です。
1人でも多くの青年が足を運び、平和を願い行動できる人間になってもらえたら嬉しい。本当に個人的な願いです。
子供の頃に戦争を経験したうちの親父。
来年81歳になる。
口癖のようによくこんなことを言っていた。
『日本は平和ぼけしている』
今日はやけに、その言葉を思い出しました。